ドライヴ~飴色の写真~
「あー、綺麗だね。先生。やっぱり出来れば綺麗な体のまましたいな。あんまり暴力振らせないでね。でも、本気で抵抗して?」


「無理言うなよ…あっ! ちょ、ちょっと!」


 ハサミを持ち出し、ブラジャーの真ん中に切り込みを入れ始めた。


「おっ、いいね、いいね!」


 十雨くんが喜んで声を上げ始めた。
 その時、部屋の壁のあたりから、少しきしむような音がした。



「…誰か! 助けて!」

 私は叫んだ。可能性にかけて。
 今まで、とっておいた分の声を上げた。



「篠さんーー…」



 すると、アパートの部屋のドアが乱暴な音をたてながら開いた。鍵ごと無理矢理開けたのだろう。


「警察だ! おとなしくしろ!」

 数人の警察官が部屋の中に入ってきて、十雨くんは持っていたハサミで抵抗したが、あっという間に取り押さえられた。




「ちくしょう! ちくしょう!」


 十雨くんの叫び声が、響いた。
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