ドライヴ~飴色の写真~
「今のそれって、まるで…」

「まるで、なんだ?」

「まるで…プッ…」

「なんだ、おならか。なぎさん、顔が赤いぞ。構わんぞ、おならくらい。むしろオレの前でなら安心して…」

「だから違うっつうの! やっぱり、この変態事務所から出ていくー!」



 叫んで、疲れたのか、私はそのままパタッと眠ってしまったらしい。

 篠さんは、私を抱えて<私の部屋>のベッドまで運んでくれたようだ。

 その日は、悔しいがここ最近で一番安心して眠ることができた。



 すべて、終わって、もう何も恐れることはないのだ。

 私は、ただただ、朝を穏やかに迎えるだけで良かった。





 だから、例えば篠さんが真夜中に歌ったり、電話なんかをしていたとしても気づかなかっただろう。
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