ぶたさん3
 居酒屋は大にぎわいで、びしょぬれのぶたさんが入ってきても、だれも気にとめた様子はありませんでした。 ねこさんは、少しまってて、とぶたさんに告げると奥の方に入っていきました。

 待っている間、ぶたさんはまわりのにぎわいに、なんとなく耳をかたむけていました。 みんな、幸せそうにおしゃべりをしています。 ぶたさんの大すきな他人の幸福が、このお店にはいっぱいつまっているように思われました。 自然に顔がほころびます。
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