ぶたさん3
 そこは、食品工場でした。 いろんな食べ物が加工され、出荷される場所です。 適度な運動をして、太陽の下で体を黒くさせたいわゆる「黒豚」は、業界で大変人気の高いお肉なのです。

 なかなか手に入らないそれが借金の肩代わりをする、というのは、エプロンの二人組にとって非常に都合のいいことでした。 出すところに出せば、借金をはるかに超える高値で売れるかもしれない。 超えた分も、借金をした本人がいなく、肉を提供した本人もいなくなる、となれば、自分たち二人の取り分となるのです。 そのヨジョウブンを考えると、二人は笑顔をとめることが出来ませんでした。
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