ぶたさん3
 はじめて出会ったとき、なんてかわいそうなぶたさんなんだろう、と思った。 風船ぐらいで、こんなに必死になって。 お礼を言おうと近づいただけでビクビクして、お礼を言われたら言われたで、天にも昇りそうな嬉しそうな顔。 どんな生き方をすれば、こんな風になってしまうんだろう。 すごく悲しくなって、まわりにぶたさんのことを聞いてまわって、やっぱり悲しくなった。 どうにかしてあげたい、と心の底から思ったの。
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