僕の唄君の声

(玲視線)


重苦しい空気はいつの間にか無く、始まったのは猫のじゃれあいの様な、なんとも緩いものだった。


抑えつける様に回した腕を涙目になりながらも外そうとする壱葉は何とも面白い。



「は、なし‥て!」

「やーだ」


駄々をこねるように間延びした声を出しながら、耳たぶを甘噛みする。



「(やっべ、クセになる‥)」

「ちょ、玲!」

「んー‥」

「アンタは犬か!」

「‥わん」

「違うでしょ、て、やめなさい」



いい感じに肉がついた胸はどうにも魅惑的で、目の前にそれがチラつけば何かしらしたくなる。



で、頬をくっつける。



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