僕の唄君の声


うわー、阿呆面して‥‥ん?
なんか可笑しいぞ笑顔が笑顔じゃ、

「‥‥(ニコー)」

ない。


「‥‥イダダダ!」


ぐりぐりぐり、ぐりぐりぐり
玲の指の関節がバスケ部の腕力によって
私の頭に食い込んできた。


「誰が何だって?ん?」

「痛い痛い痛い痛い痛いっ」

「え?何、よく聞こえない」

「ごめんなさいいいい」

「‥ふ、分かりゃいんだよ」


鬼かこいつああそうなのか。



「で、何?」

「は?」

「無意味に馬鹿呼ばわり、はしねェよな?」

「へ、あああもちろん」

「はあ‥で、何。」



そこから話はホイホイ進んだ。


私の何処が好きなのか
分かんねェ。直感?

本気の恋愛はしたのか
小学生くらいのときに。

付き合うにはお互いを知らな過ぎるよね
じゃあ友達からやり直すか?



「‥はい?」

今何と言ったこの男。
やり直す?イコール別れる?


「いいいい、い、今の質問無しね」

「ははははっ!お前焦りすぎ」


大口開けて笑う玲はレア物で、
食い入るように見つめてたけど
ぐしゃりと大きい手で頭を撫でられたので
視界は遮られた。







どうやら私が1番純粋な気持ちで
恋愛出来てなかったようだ。

だって素直になったらバクバクと心臓はやばいし、顔が熱い。かなり。



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