僕の唄君の声


――‥タタ、タ‥タタッ

「(‥足音?)」

「あ、そこにいると危ねェぞ」

「‥え?」


音の正体を考えていると、急に玲から警告を出され、玄関の隅へと移動させられた。理由も何も分からない私は、とりあえず玲からの力に逆らうことなく隅っこで待機。



――‥タタ、タタ‥タッ

「来るぞ。」


靴を脱ぎながら、玲が静かに呟いた。


―タタタタ、タッ

「‥っ」


だんだんと近付いてくる音にごくりと唾を飲んだ。


タタタタタタタタタタッ


「れいくーん!おかえりんごー!」







―――――‥え?






「おう、ただいグフッ」





―――――‥えっと、‥‥え?



「こら、突進する場所考えろっていつも言ってんだろ」

「‥わすれてた!れいくん、ごめんね?」

「よし、いい子だな。‥うりゃ!」

「きゃはははっ 高い高い!」

「髪引っ張っるなよ〜」




――――‥いや、むしろ私をそっちへ引っ張れ。そして説明しやがれ。


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