僕の唄君の声


抱きしめられて数分。


なんだか離れるのは嫌だったので、そのままの状態で先程から気になることを聞いてみる。



「あの、さ。」

「うん?」


返答の声を出しながら肩に頭をくっつけてくる玲から僅かながら逃げながら、話を続ける。



「さっきの玲そっくりさん、誰?」

「凪のことか?」

「うん。‥玲の子供?」

「んなわけあるか!」

「ぎゃっ!叩くな!」

「甥っ子だよ、甥。」

「あらま、玲ってば伯父さん?」

「一応な。」

「あ、2世帯だから家が大きいのか」

「そうゆうこと。」




なるほど、と納得して沈黙を再開する。




いつになったら終わるのか、と考えはしたが、いざ離れようとすると寂しくなったので、玲の力が緩まないのをいいことに玲の暖かさに甘えた。













凪くんが夕飯だと玲を呼びに来るのは、
それからすぐの話。


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