僕の唄君の声

玲side




凪のいつもの子供特有のハイテンションに付き合いながら言葉を交じ合わせていると完全に着いてきてない壱葉が面白そうに俺を見て笑っていた。




「あ？おい、壱葉。なに笑ってやがる。」

という俺の問いに、腹を抱えながら曖昧な回答をした壱葉を見て確信した。





どうやら、凪に振り回される俺の姿がツボったらしい。





…………ちょっと、痛い目見た方が良さそうだ。





「俺が着替え終わるまであのお姉ちゃんと遊んでてな？」

「は～いっ！」

「うし！おら、行けっ！」





とーうっ！とか言いながら凪は俺の背中から、向かいに居た壱葉に飛び付いた。



「え、うそ！ちょ、待っ、ぎゃああっ」



女らしくない叫び声を後ろに、ゆったりと立ち上がりクローゼットに向かう。



「わっ、え、ちょ！」

「ん～、おねえちゃんやわらかい～！」

「やっ、え、うそ、ぇえっ」




何とも楽しそうな凪の笑い声や焦りまくってる壱葉の声を聞きながらネクタイやらボタンやらを外していると、




「ちょ、玲っ！たす、たすけて！」




という、何とも悲痛な叫び声に似た声が聞こえた。




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