僕の唄君の声
1
「はあ〜…」
机の上に大量に散らばった消しカスを見ながら溜息をこぼす。
あ、私?柳壱葉っていいます。
なんで始まって早々に溜息か?
だってもう、かれこれ2時間も友達を教室で待っているから。
「…‥はあ〜」
ふ、と2時間前の会話を思い出す。
―――――…‥
『壱葉っ!』
『んあ?』
『今日も…』
『ああ、はいはい。』
『ごめんねっ!じゃっ』
『…‥速っ』
―――――…‥
その友達は好きな人とやらの部活を見に行くらしい。
「好きな人、ねえ〜」
まあ、男にかなり興味のない私にはどうでもよく感じる行為。
別に、好きな人が出来たことがないわけじゃない。一応、女だからそういうのにハマったこともあった。
だけど、それ以上に大好きなことがあったから、最近ではさらさら恋愛には興味がない。
好きなことっていうのは詩を書くこと。
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