僕の唄君の声



「はあ〜…」

机の上に大量に散らばった消しカスを見ながら溜息をこぼす。  


あ、私?柳壱葉っていいます。
なんで始まって早々に溜息か?

だってもう、かれこれ2時間も友達を教室で待っているから。

「…‥はあ〜」


ふ、と2時間前の会話を思い出す。


―――――…‥

『壱葉っ!』

『んあ?』

『今日も…』

『ああ、はいはい。』

『ごめんねっ!じゃっ』

『…‥速っ』

―――――…‥

その友達は好きな人とやらの部活を見に行くらしい。


「好きな人、ねえ〜」



まあ、男にかなり興味のない私にはどうでもよく感じる行為。
別に、好きな人が出来たことがないわけじゃない。一応、女だからそういうのにハマったこともあった。
だけど、それ以上に大好きなことがあったから、最近ではさらさら恋愛には興味がない。













好きなことっていうのは詩を書くこと。







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