僕の唄君の声
(玲視線)


離された耳を摩りながら体育館の出入口を見た。糞顧問とジャレていた隙にアイツは帰ったらしい。


「……。」

「キャプテンがそんなじゃいけねェな〜」

「…どうゆう意味だコラ」


突然、俺の肩に腕を乗っけたケンちゃんがわざとらしい声で首を左右に振りながら意味不明な言葉を告げた。


「別に?」

「…うざ」

「あ゙?玲ちゃ〜ん、テメェ…」

「試合入ってきまーす」



後ろで待てだのなんだのと聞こえるのを気にしながらもコートへ戻り、さっきの女の目つきを思い出す。


ガコンッ

「意味分かんねェ」


3ポイントを決め、リングにボールが入ったのと同時にこの意味の分からない考えを消し去った。恋愛には興味もないし、女ならそこら辺にゴロゴロいる。というか煩いだけ。


周りでキャーとか玲くーんとか騒いでる奴らを見渡しながら、今夜の品定めをした。
たまに部室に呼び込むだけだ。毎日ではないし今日みたいに意味の分からねェ感情さえ無くなればそれでいい。












「お、いい女発見。」




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