僕の唄君の声
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キーンコーン―…
朝のHRの時間を知らせるチャイムが教室に響き渡る。いつもチャイムが鳴る前から席に座っている私は特に気にしない。
しかし今日は違う。
「…はあ。何なわけ、この手は」
今だに私の手首を離さない榊下に心の中で舌打ちをしながらも用件が何なのかを根気強く聞く。
「榊下くーん、ご用件はー?」
何度目かになる質問を間延びした喋り方で繰り返す。私的には別に用件なんかどうでもいいけどそれが済まなきゃ離しませんオーラがやばいやばい。そしてやばい。
「―…昼、東階段。」
「はい…?」
やっとこさ口を開いたかと思えば2つの単語しかその整った唇からは零れなかった。
「昼休憩になったら東階段…。」
「あー…、はいはい。」
聞き返せばさっきよりも日本語的になった言葉を私に飛ばしてくれた榊下に了承の返事を飛ばし返す。
ガラッ
教室の前の方に設置されているドアが音を立てたかと思い目線をやると怠そーうな担任が出席確認ーと言いながら入ってきた。
「げ、ケンちゃんじゃん」
息を潜めた榊下を見ながら頭に?を浮かばせ何か問題があるのか聞いた。そしたら部活の顧問だと解答が返ってきた。
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