僕の唄君の声
(華己視線)


あの時の壱葉を思い出し歩くスピードが遅くなったのに気付いてフルフルと頭を振り昔の映像を頭から振り落とす。



ふと前を見ればトイレから出てくる奏輔くんと玲くん。なんで玲くんが居るの?壱葉はまだ帰って来てない。


「玲くん!」

「あ?あぁ確か…、奏輔の好きングッ」

「(バカっ!)華己ちゃんじゃん。どしたの?」

「…?え、あぁ壱葉知らない?」

「ブハッ!何すんだよアホ奏輔!…アイツなら昼の片付けして帰るって言ってたから東階段に置いてきたけど。まだ帰ってねェの?」

「……。ねえ、様子変じゃなかった?」

「…さぁ?分かんねェ」

「変なことしてないよね…?」

「………。」


玲くんを問いただしていけば気まずそうな表情で私から目を反らした。何かあったのかはこの顔をみれば分かるがその内容による。
何をしたか問いただせば全てを玲くんは話してくれた。


「で、今の状況に繋がるわけ。…っおい!」

「華己ちゃんっ!?」


後ろから2人の声が聞こえたが気にしていられない。玲くんの話からして多分、壱葉は玲くんとアイツをダブらせた。


「っあああ!チッ」



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