僕の唄君の声
『っ危な…!』
奏輔の好きな奴が若干叫び声をあげたのとほぼ同時に動き出した俺はギリギリでコイツを助けた。
『おい、大丈夫か?』
死んでねェか(オーバー?知らねェよ)確かめる為に顔を覗けば涙目で俺にこう言った。
『気失ったて言って…!』
『…は?』
『華己に…!』
『あー、はいはい。』
まあ、これで今に繋がるわけ。
「なあ、マジで大丈夫か?」
もう一度駄目元で問い掛けてみれば予想通り返事はしなかったがベッドをポンポンと叩き隣に座るように促した。バフッと音を立てはしたが指示通りに隣に座る。
「昼、俺が何か悪ィことしたんだよな?」
「……別にアンタが、玲が悪いんじゃない」
「……そ。」
「…うん。」
昼にした俺の行動がコイツに何らかの影響を与えたのは確かなのにコイツは俺が悪いんだと言わない。
まるで事の発端は別にあるとわざと言っているように、玲「が」悪いわけではないと…、そう言っていた。
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