僕の唄君の声
「っお前まさか…」
「そのまさか。」
「嘘だろ……?」
「ハハ…ッ!まあ確かに信じにくいかもね。でも本当。私は義父に…」
「言わなくて、いい。」
「…?」
「お前、泣きてェんだろ?忘れてェんだろ?もう我慢するな。よく、頑張ったな…」
なんでこの男はこんなにも察しがいいのだろうか。私が欲してた何かをこんなにも簡単に私にくれる。
『たすけ、て』
『ハッ!誰も来ねェよ?』
「よく一人で堪えたな…」
「もう、我慢しないでいいの?」
毎日毎日、心の中で助けてと叫んでた。
でも叫べば叫ぶほど、もがけばもがくほど、一人なんだと痛感した。
「あぁ、我慢しなくていい。」
気付けばボロボロと頬を伝っていた。
「そっ、かァ…うぇ、く…っひ…」
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