僕の唄君の声
私たちが呟いた言葉で二対二の論争はストップした。静かになったところで止めていた足を前に進めた。後ろからは奏輔と華己の会話がまだ続いていた。
「二人とも似過ぎじゃない?」
「俺も思ったー」
そっちの方が似てると思いながら、教室に向かって歩く速度を速める。他の3人は気にしていないみたいだが、教室が近くなっていくにつれて生徒も多くなり、視線がものすごく痛い。(特に女子のね)その原因はまあ、分からなくもない。
180cmはあるだろうバスケ部のルーキー。2年なのにキャプテンっていうのは少しばかり気になるが、それは置いておいて。前に説明した通り、完璧な容姿の榊下玲。(さかきしたれい)
それに続き、またまた180cmはあるだろうバスケ部のルーキー。少しタレ目でダークブラウンの髪の毛の持ち主。無造作に遊ばせた髪型。玲ほど筋肉はついてないものの普通の男子と比べたらガッシリしている方だと思う。玲の親友兼華己の彼氏、菊田奏輔。(きくたそうすけ)
最後に162、3cmの私の親友。茶色い髪は今日も丁寧にコテで緩く巻かれている。体型はスラッとしていて、世の中の女の理想体型。小さい頃から一緒にいるけれど、文句なしにセンス抜群。私の親友兼奏輔の彼女、千種華己。(ちくさかこ)
「あー、やだやだ。」
「何が?」
3人の容姿をチラリと見ながら本音を漏らせば、すかさず玲が聞き返してきた。
―――……ついて来るなよ!
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