僕の唄君の声
目立つのは嫌いだ。極力、目立たないように高校生活を終えたい。え?なんでそんなに日陰に居たいのかって?注目されれば期待に答えなくちゃいけないじゃん。あーあー、面倒くさいったらありゃしない!
「なァ、何がだ?」
「関係ないよ。」
私の隣を歩きながら問い掛けてくる玲にチラリと視線をやり、軽く言葉を返す。
「…あ゙?」
「3人とも目立つんだもん。目立つの嫌いなのよ。アンタらは慣れてるだろうけどさ。」
「…何言ってっか意味分かんねェけどさ、」
いやいや、分かってよとか勝手に思いながらスルーをしていれば突然グイッと腕を引かれた。抵抗するのも面倒くさくて重力に逆らうことなく倒れれば、ポフッという気の抜ける衝撃が肩や、頭を襲った。
「はぁ、最あ「アンタは無しだろ?」
ため息と共に出した最悪…、と呟いた声は私の隣にいる玲に遮られた。
まあ、正確に言えば玲の声だけに遮られたわけじゃない。どこからそんな高い声が出るのか分からないくらいのキャーとかいう叫び声にも遮られた。
「…うるさっ」
そして今だにその叫び声は続いている。
「確かに。」
「アンタのせいでしょ!」
「また言った。」
「だから何。」
「これ以上のことやったらあの女の子達どうするのかねェ?」
_