僕の唄君の声
私から遠退く玲をチラリと見れば、片手で顔を抑えながらはぁぁぁと大きなため息をつく姿が目に映った。
「幸せ無くなるよ。そんなデカいため息」
真面目に私が言ったにも関わらず、玲はまたはぁぁぁと大きなため息をついた。
―…あーあ、幸せが…あれ、デジャヴュ?
まあ、それは置いといて。
どうしたのかとため息の理由を聞けば、玲はため息の原因だと思われる場所を指差した。指差した方向に視線をズラしていき、その正体を認識する。
「…ワーオ」
リアクション低すぎ王の私もびっくり。
そこにはニヤニヤ顔でこちらを見ている華己と奏輔がいた。
そこでハッとした。
「…他の生徒は?」
「「「そこかよ!」」」
「Σ!」
でも、私にとっては死活問題だ。
ここで、この3人に負けてはいられない。
「今後、平凡な学校生活が送れるかが懸かってんの!」
「……どーゆーこと?」
「「はあ…」」
奏輔には何も話していないため、知らないのはしょうがない。他の2人はそれがどういう意味なのが知っているため、ため息をついた。
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