僕の唄君の声
「はあ〜」
今だに2人で話し込んでる華己を見て溜息をつく。これじゃあ、話に花が咲いてるんだか、頭に花が咲き乱れちゃってるんだか分からない。
「誰よ…‥(ボソッ)」
「榊下 玲(さかきした れい)。」
「…‥はい?」
「俺の名前。」
「あ‥、ども。」
「…ども」
びっくりした。急に喋るんだもん。しかも、目つき悪いし。今は横向いてて右耳しか見えないけど、ピアス3つもあるし。
あ、でも…‥
「髪は黒なんだ。(ボソリ)」
「わりィか。」
「っ!?べ、別に」
「なんだよ」
独り言のつもりだった言葉に返事が返ってくればそりゃ驚くでしょ。
「……‥‥‥‥。」
「……‥‥‥‥。」
うん、会話ない。
まあね、普通だよね。初対面だし、ついさっき名前知ったわけだし。
「じゃあ、今日も部活、見に来てね」
「は、はいっ!」
「敬語じゃなくていいよ。タメだし。」
「わ、分かった!」
「ははっ(笑)じゃあね」
やっとお花咲かなくなったああ〜。もう少しで気まずさで死ぬところだった…!
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