僕の唄君の声

(玲視線)


「まあ要するに、私は目立たず刺激なんてなくただただ平凡に高校を卒業したいわけよ。」


「なるほど。」


簡潔に結果だけをまず話した壱葉に、理解の言葉を奏輔は発した。


「でも、壱葉ちゃん。」


「はい？」


「壱葉ちゃん、結構有名だよ？」


「…は？」



そして、爆弾発言もしてしまった。



確かに、奏輔の言う通りだ。俺はあまり興味もなくて他の男子が噂をしているのを２、３回聞いたことがあるくらいだ。

でも、その噂の内容は聞く度に違ったし、どの内容も恐ろしく強烈だった。


「昔の彼氏がＤＶ男。」


「そうそう。玲知ってるんだ」


「クラスの奴が話してた。」


「あー、そゆことね！」


「あと、家が借金まみれで内気になった…、とかなんとか。」


「うんうん。あと大物女優の隠し子とか？」


「…それは聞いたことねェ」



そのあと奏輔がもう明らかに現実離れしてるだろっていう嘘みたいな噂の数々を語っていた。



チラリと壱葉を盗み見れば、見事に口をポカンと開けて奏輔を見ていた。



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