僕の唄君の声
3
(玲視線)
場所は変わって体育館脇。
俺の目の前にはさっきの女。
変わったことと言えば、場所とこの意味の分からない女の態度。
さっきまでは可愛らしい雰囲気を醸し出していたコイツは、場所を変えた瞬間に豹変した。
「何なのよ!さっきの女は!」
「は…?」
何を言い出すのかと待てば、急に飛び出してきた意味の分からない台詞。
「は、じゃないわよ。見たんだから!タメの女抱えてたじゃない!」
「あぁ、あれね。それが何。」
「は…?」
「は?はないだろ。…ていうか、アンタに言われる筋合いなんかねェよ。」
そう、俺が目の前の女にあーだのこーだの言われる筋合いなど微塵もない。
何故か?
簡単だ。だってコイツは…
「あ、あたしのこと抱いたじゃない!」
「おう、一夜限りでな?」
コイツは、壱葉が部活に来たあの日に見つけた女だ。
「……っ!」
「何、期待したわけ?俺の女になれるかもしれねェ、自分だけは特別、とか思ったわけ?」
「だ、だって!好きだ、って…」
「お前が言えって言ったからな。」
喘ぎながら戯れ事を吐くコイツを黙らせたくて、ただ言った。それだけだ。その言葉に、意味など無かった。
「分かったか?」
「…さ…、て」
「…あ゙?」
「…最っ低!」
「褒め言葉にしか聞こえねェな」
ハッと鼻で笑えば、悔しそうに俺を睨む女の目はチラ、と校舎に向き、そしてまた俺へと焦点を変えた。
その目に、先程までの憎悪は無かった。
あるのは、余裕そうな薄ら笑い。
ただそれだけ。
_
場所は変わって体育館脇。
俺の目の前にはさっきの女。
変わったことと言えば、場所とこの意味の分からない女の態度。
さっきまでは可愛らしい雰囲気を醸し出していたコイツは、場所を変えた瞬間に豹変した。
「何なのよ!さっきの女は!」
「は…?」
何を言い出すのかと待てば、急に飛び出してきた意味の分からない台詞。
「は、じゃないわよ。見たんだから!タメの女抱えてたじゃない!」
「あぁ、あれね。それが何。」
「は…?」
「は?はないだろ。…ていうか、アンタに言われる筋合いなんかねェよ。」
そう、俺が目の前の女にあーだのこーだの言われる筋合いなど微塵もない。
何故か?
簡単だ。だってコイツは…
「あ、あたしのこと抱いたじゃない!」
「おう、一夜限りでな?」
コイツは、壱葉が部活に来たあの日に見つけた女だ。
「……っ!」
「何、期待したわけ?俺の女になれるかもしれねェ、自分だけは特別、とか思ったわけ?」
「だ、だって!好きだ、って…」
「お前が言えって言ったからな。」
喘ぎながら戯れ事を吐くコイツを黙らせたくて、ただ言った。それだけだ。その言葉に、意味など無かった。
「分かったか?」
「…さ…、て」
「…あ゙?」
「…最っ低!」
「褒め言葉にしか聞こえねェな」
ハッと鼻で笑えば、悔しそうに俺を睨む女の目はチラ、と校舎に向き、そしてまた俺へと焦点を変えた。
その目に、先程までの憎悪は無かった。
あるのは、余裕そうな薄ら笑い。
ただそれだけ。
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