僕の唄君の声
3
「‥ん?」
いつの間にか寝てしまったらしい。肩に重さを感じて目を覚ませば、玲が隣にいた。
「なんで、いるの?」
寝ぼけた頭はのったりとした言葉しか紡げないらしい。
しかし困った。
動けない。
やることなくキョロキョロすれば、ノートが無い。そこでもやはりキョロキョロすれば、玲が何故かシャーペンとノートを持っている。
バッと取り返せば、玲が目を覚ました。
「ん〜‥、」
「‥!」
「あ、起きてる。」
「、ども」
「ノート、読んだ?」
「、はい?」
「だから、そのノート。」
「こ、れ?」
「そう、それ。」
「‥‥‥‥っ!」
この男が指差すところを読んでみれば、まさかの文字。見覚えのあるその文字は、目の前の男のもの。
.