僕の唄君の声
「〜〜っ、!」
顔が熱い。
最悪だ、最悪最悪最悪最悪最悪最悪!
迫力もクソもないが、最後の悪足掻きで睨んでみる。そうすれば、フッと余裕そうな笑みを1つ返された。
「別にこれアンタのことじゃな、近い!」
「キスしようとしてんのに、近いって何。」
「近いのよ!」
「だから、キス。」
「しない!」
体を思い切り反らして顔を横に向けていたが無理矢理、体も顔も前に方向転換。
「無理無理無理無理無理イイィ!」
「黙れ馬鹿。」
「馬鹿じゃない!」
唯一、自由な両手で胸板を押すがびくともしない。
こうなれば強行手段。
抵抗していた力を完全に抜く。
「‥‥ねえ、目閉じて。」
「‥ん。」
そう言えばコイツは素直に従った。
こうなってしまえばこっちのもの。
さあ、皆でカウントダウン。
さーん
にー
いーち
せーの‥‥っ!
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