僕の唄君の声


ゴンッ


「痛ア゙ァ゙、っテメェ‥!」


「はっ、ばーか。」


「俺に頭突きした女なんかいねェぞ!」


「凄い、初体験じゃん。」


「そこじゃねェよ!」


「うわ、だっさ。涙目‥。」




文字通り、キスする気満々なコイツに頭突きをかましてやった。

今だにぎゃあぎゃあ騒ぐコイツを見ながら、ため息を零す。



「んだよ、」


「目移りとか許さない。他の女と一緒にするな。言葉はいらない。気持ちが欲しい。」


「‥‥他の男にその気持ち持ったらぶっ殺す。そこらの男と一緒にするな。お前が欲しい。言葉じゃねェ。ココロが欲しい。」






物騒な言葉を繋げた私たちの告白は、告白と言うのだろうか。


でも確かにあるのは、私とアンタで。





これから先は、多分まだまだ長い。







「なあ、キス。」

「しないってば。」







ほらね。


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