恋色想い
「どこ行こうか!楽しみだな!」
颯と付き合って1ヶ月。
初めてのデートだ。
「じゃあ、行きたいところ、決めとけよ。」
「私が決めるの?」
「や…だってさ、俺、こーいうの初めてだからさ、よく分かんなくて…。」
困ったように鼻の頭を掻く颯。
私が初めて…
そう聞いて、不覚にも嬉しくなってしまう。
「颯、イケメンなのにデートしたことないの!?」
嬉しく思いながらも、びっくりして、私は颯に尋ねる。
「…当たり前だろ。だから俺、全然そういうの分かんないから…悪いな。」
「二人で楽しめればいいんだよ!楽しもうね!」
私は思わずカバンをぶんぶん振り回した。