恋色想い



「…颯は別だよ。」

私が呟くと、颯は怒った顔になった。



「…私、なんか怒らせること言った?」



心配になって尋ねると、顔を赤くして颯が呟いた…



「照れること、言うなバカ。」





かわいいって言ってくれたかと思えば、照れて顔を赤くする。




初めて、こんなにも人を愛しいと思った。

そして…
改めて、颯が好きだって思った。





ぎゅっと手を握ると、力強く握り返してくれるあったかい手。





私は…
私は、この手を離さない──…








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