恋色想い
…颯の選んだホラー映画は、とんでもなく恐かった。
絶叫しすぎて、のどが痛いくらいだ。
「あーヤバかった!!…碧衣の顔が。アレは傑作モノだな。」
場内を出てから、颯は私の顔の感想ばかり述べている…
「映画見に来たんじゃん!私の顔なんか見てないで映画見てなよ!!」
もう恥ずかしくて、私は必死になって抵抗する。
「助けて〜って俺の腕つかみにきたの誰だったっけ?」
「…。」
真剣に怖かった私は、ずっと颯の腕をつかんでいたのだ。
今になってやっと、自分の行動の大胆さに気が付いた…。
「っうるさい!颯がホラーなんか選ぶからいけないんじゃんか!」
「碧衣がじゃんけんに負けるのが悪いんじゃん?」
私達は、すごく楽しい時間を過ごした。