恋色想い
「碧衣…、やつれてる。」
心配そうに、愛美が私の顔を覗き込む。
「え…?」
「なんかやだ!」
突然機嫌が悪くなった愛美に私が戸惑っていると、春菜が来て言った。
「私達、碧衣が悩んでるのに何もできないのがやだってこと。」
ニコリと微笑みながら、春菜は愛美に言葉が足りないよと笑った。
「愛美…。」
ぐにゃりと視界が歪んで、ぽたりと雫が机に落ちた。
「ばかな碧衣。…こんなときぐらい素直になればいいのに。」
前までは好きじゃなかったストレートな愛美の言葉が、すごく胸に響いてくる。
「ふっ…うぅ…」
自然と、ぼろぼろと零れる涙。
張り詰めたものが、少しだけ、緩んでいく気がした──…