恋色想い



「あ…えと、」

ヤバイ…
私今、絶対挙動不審だ…。



「颯の…彼女さんですよね?」

ふわりと微笑みながら、釉梨さんは言った。




「…いきなりごめんなさい。少しだけ、お話したくて…。」


本当に申し訳なさそうに言う釉梨さんの言葉に、断り切れなくて…



私は素直にうなずいてしまった。







「ごめんなさい、急に。時間を割いてくれてありがとう。」


釉梨さんが笑う姿は、とても綺麗だ。
容姿ももちろん綺麗なんだけど…
だけど、そういうものだけじゃなくて、雰囲気が綺麗なんだ。





近くのカフェに入って、釉梨さんはコーヒーを頼んだ。


…颯と一緒で、ブラックが好きなんだ。



妬くところじゃないって分かっているのに、嫉妬してしまう自分に思わずため息が出る。






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