恋色想い
「お待たせっ!!」
小走りで、颯のもとに駆け寄る。
だけど、前のデートみたいに失敗しないように、慎重に。
「ごめんね遅れて…」
謝ると、颯は私の頭をぐしゃぐしゃと撫でる。
「っ颯〜!髪せっかく綺麗に巻いたのに!」
私がそう批判すると…、
「ん、可愛い。」
そう言って、ニコッて微笑む颯は、世界で一番かっこよくて。
「バカ颯…。」
私は、颯には聞こえないようにつぶやいた。
バカ颯。
これ以上好きって思わせないで…
颯といられるのは、今日で最後なんだから──…