恋色想い





「碧衣?大丈夫か?疲れた?」


ぼーっとしていた私の顔を、颯は心配そうに覗き込む。





「大丈夫大丈夫!ごめんね、ちょっとぼーっとしてただけだから。」

私はあわてて手を振る。




「そう?疲れたら、いつでも言えよ?あ、これ、欲しかったんだろ?」

そう言って、颯は私に綿飴をくれた。




「いいの?ありがとう!」

私がお礼を言うと、単純なヤツだなって笑われた。





今日は、精一杯楽しもう。
…颯の彼女でいられる、最後の日だから。







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