恋色想い
「花火、楽しみだね!」
私達は、颯が告白してくれた時の場所に来ていた。
見晴らしは最高なのに、意外と人が少ない。
っていうか、ほとんど人がいない状態だ。
…隠れた絶景スポットってヤツかな?
ヒュルルルル…
ドーン
しばらく話していると、大きな音と共に空に大輪の花が咲いた。
「わあっ…」
「…キレーだな。」
私達は歓声を上げる。
フッて笑う颯。
その後、颯の顔が近づいてきて…
ドクン、ドクンと脈打つ心臓。
花火の音に負けないくらいに音を立てる私の心臓。
だけど…
それと同時に、どうしようもないくらいの切なさが私の胸を締め付ける。
好きだよ、颯。
ホントは、離れたくないよ…。
だけど…
私は颯が大好きだから、颯には幸せになってほしいの…。
ぎゅっと目を瞑る。
唇に触れる感覚。
花火の音が…
よけいに私を切なくさせる──…