恋色想い
「…どうした?」
「…なんでもないよ。」
ミネラルウォーターを持ったお兄ちゃんにそれだけ言うと、私は自分の部屋に籠もった。
今は…
誰とも話したくない。
スウェットに着替えて、ベッドに突っ伏した。
自分で決めたことなのに、すごく後悔してる自分が嫌になる。
「水とタオルと氷、置いとくから使えよ。」
すこし戸惑い気味のお兄ちゃんの声と、静かな足音がドアの外で響いた。
…お兄ちゃんは、何も聞かなかった。
勉強しなきゃいけないのに、わざわざ用意してくれたんだ…。
…これも、颯がいてくれたから実現したこと。