恋色想い
「ん…」
眩しすぎる光に、顔をしかめながら目をあける。
泣きすぎた目は、ちゃんと開いてくれない。
「…学校、行かなきゃなぁ…」
心は空っぽで…
頭では鮮明すぎるくらいに出来事を覚えているのに、心がついていかない。
だけど、じっとしていると颯のことを考えてしまいそうで…
だから、学校に行くことにした。
いつも超満員の電車。
颯に出会うまでは、嫌いで嫌いで仕方なかった時間。
なのに…
ここで颯と話せると思うととても愛しい、貴重な時間になっていた。
「…っ…」
涙をこらえるのに必死だった。
なんでもない颯との思い出は優しすぎるよ──…