恋色想い
「そんなことがあったんだ…。」
お昼休み、中庭のベンチに座って、私たちは話をしていた。
ぜんぶ話した。
颯と出会ってから、別れるまでの経緯とか…。
ぜんぶ。
静かに話を聞いてくれた二人は、聞きおわると難しい顔をして黙り込んだ。
「…ごめんね、こんな暗い話。」
なんだか申し訳なくて、私は二人に謝った。
重い空気にしちゃって、勝手に泣いたりして…。
迷惑もいいトコだよね…。
「…バッカじゃないの?」
フン、と鼻をならしながら愛美は私を見る。
「…え、」
びっくりして、私は愛美を見る。
「…親友の相談のるのにめんどくさいとか重いとか思うワケないじゃん。」
自分で言っておきながら、愛美は顔を真っ赤にさせる。
「…ふふっ、ありがと、愛美。」
私は思わず愛美にハグをした。