恋色想い
「ねぇっ…どこ行くの?」
早足で歩く颯の背中を必死に追いかけながら、私は尋ねた。
「行けばわかるよ。」
スピードをゆるめないまま、颯はつぶやいた。
「っ今日の颯は、ちょっとヘンだよ?なんなの…」
息を切らしながら歩いて、私は颯に話し掛ける。
どんっ
いきなり、顔に衝撃が走る。
「いたた…。」
鼻をさすりながら、私は前を見る。
そこには、大きな颯の背中があった。
やっと状況がのみ込めた。
颯が立ち止まったんだ。
「いきなりどうしたの…」
颯の背中に語りかけると、颯が大きく息をはきだした。