恋色想い
「…ごめん、いきなり。」
「ううん…、私…。」
私も…
好き、の一言言うのに、何分かかったんだろう。
「颯が…好きっ!!」
「ぶはっお前なに大声だしてんだよ!」
颯にしては珍しく、声を上げて笑う。
「…っ笑わないでよ!!」
さらに恥ずかしくなって、私は颯の肩をバシバシ叩いた。
「いって!…んのやろ!」
颯の肩を叩く手が、易々と颯のおっきな手に捕まった。
「放してよ…。」
「一生放さない。…って、ベタだよな。」
私の手を掴んでいない方の手で、颯はポリポリと鼻の頭をかいた。