恋色想い
そんな中で一人、爆笑する颯。
「バカって…なによ…。」
「いや、碧衣らしい。さすが碧衣だな。」
半分涙目になりながら、颯は笑っている。
「…こんな私、いやじゃないの?…落ち着いてないし。」
私がうなだれながら聞くと、颯は私をじっと見てからいった。
「こんな碧衣だから、好きになったんだよバカ。」
言い終わってから、颯は恥ずかしそうに外を見た。
「ガラじゃねーことさせんなよバカ。…こっち見んな。」
気のせいか、颯の顔が赤い。
『好き』は、静かに、穏やかに、私の中に積もっていく──…