恋色想い




放課後。
ノートがなくなった事に気付いて、私は駅ビルに入った。



そして、文房具屋に向かって歩いた。






あれ…?
あれ、お兄ちゃん…
だよね。


駅ビルに入っている飲食店で、お兄ちゃんらしき人を見つけた。




今日は、塾なのかな?
じゃあ、夕食はいらないのかな…


お兄ちゃんのもとへ行って、確認しようか迷っていると、お兄ちゃんは立ち上がって、お店から出てきた。



ちょうどいいし、確認しようとお兄ちゃんのもとへと近づく。

「お兄ちゃ…」







お兄ちゃんは…、
私を無視して、誰もいないかのようにその場を立ち去った。





…話も聞いてくれないんだ。

わかりきっている事なのに、胸が痛んだ。





お兄ちゃんは…
やっぱり私が嫌いなのかな…。
だから、無視するんだろうな…。




虚しさを押し込めて、私は文房具屋へと足を速めた。







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