たた・・・君を。
Side タケ

いつもみたいに遅れて溜まり場につくと、くみが勉強をしている。

くみは大学進学をしたいらしく、生徒会に所属し、クラス委員もやっている。

だれもが認める天才少女。

スポーツやらせれば何でもやるし、勉強だって常にトップ。

性格もいいし、常に周りに気を配っている。

顔は、パッと見、素通りするような感じなんだけど、よくみるとめちゃくちゃ整ってて、

目は大きいし、鼻は高いでなかなかの美形。

こんなに完璧なもんだから、何不自由してないのかと思ったら、全然違った。

メンバーのみんなをおくったあと、こうして勉強してる。

帰って来たらみんなにお疲れ~

と言って笑顔で接する。

ご飯を作ってみんなに食わしたり………努力してんだなって思う。

俺は基本、人と話すのが大嫌いだ。

みんなして比べたり、悪口いって蹴落とし合い…

俺に寄ってくる女はみんな俺の見た目で寄ってきやがる猫を被ったブタ。

けど、くみは違う。俺を〈人〉として見てくれるし、接してくれる。

いつも自然体で決して飾らない。

俺の顔を初めて見た時も、かっこいいのに、もったいない…ってだけで、接し方は全く変わらない。


だから俺はくみが好きだ。




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