はつこい
ズルズルズルー
「あ~冷たくて美味しぃ♪」
「さっき「また、ソーメン?」って言ってたのはどこの誰かしら?」
お母さんがコップに麦茶をつぎながら言った
「だって暑くて死にそうだったんだもんι」
味は飽きてるけど、冷たい喉越しはやっぱりサイコー☆
「あっそうそう、翠に頼みたいことがあったのよ」
お母さんは、麦茶の入ったコップをあたしの前に置き、向かいの椅子に腰掛けた。
「なに?頼みたいことって」
あたしはソーメンを食べながら聞き返した。
「あんた夏休みいっぱい、霞ヶ原のお婆ちゃんのとこに行ってくれない?」
ブッッ!!
ゲホッ ゲホッ
「今、何て言ったのι」
「だから、お婆ちゃんの所に行ってくれないって言ったのよ。」
「違うっ!肝心なところが抜けてる!!」
「霞ヶ原?場所は知ってんでしょ?」
「じゃなくて「夏休みいっぱい」ってとこだよ!!なんで夏休み中お婆ちゃんの所に行かなきゃなの??」
あたしはソーメンを食べる手を休めて、持っていた箸をお母さんに突きつけた。