はつこい
あ~あ…
あたし何してるんだろ…
お婆ちゃんちまでは、また徒歩だと20分はかかる
まぁ、困った時は助け合わないとね
ジーンズのポケットから携帯を取り出し、時間をみると14時を過ぎていた
「もぅこんな時間…」
14時にはお婆ちゃんちに到着する予定だったのだ
携帯のアドレス帳から、お婆ちゃんちの番号を探し、発信ボタンを押した
5回目の呼び出し音が鳴った時「はい、松田でございます」と、お婆ちゃんの声が聞こえた。
「あ、お婆ちゃん?あたし、翠だよ。」
「あらぁ♪翠ちゃん!
もうそろそろ着く頃かと思ってたのよぉ」
意外なお婆ちゃんの明るい声に面食らいながら、あたしは少し遅くなる旨を手短に話して電話を切った。