はつこい
あぁ~!! 涼しぃ~♪
もう、こうなったら
とことん涼んでいっちゃおうっと!
あたらしい雑誌でてないかな……?
あっ あったあった♪
♪♪♪
あたしは重たいバッグを足元に置き、雑誌のページをパラパラとめくった
あー くぅちゃんだ☆
かわいぃな♪
パラパラ パラパラ
ドカッ!!!!!
「っったーーい!! 」
後頭部に鈍い衝撃が走り、一瞬 何が起きたのか分からなかった。
乱れた髪も直さずに、振り向くとあいつが 呆れた顔で あたしを見下ろしていた。
「何すんのよっ!痛いじゃない!」
「お前、何こんなとこで寄り道してんだよ…」
こいつは木下広汰。幼なじみで あたしとは犬猿の仲。何かっていうとちょっかい出してきて ウザイやつだ。
しかもムカつくことに、高校はいってから異様なスピードで身長が伸びてるらしく、中学卒業するときは156センチのあたしより、ほんの少し高いだけだったのに 今は見下ろされるぐらいにまでになってしまった。