執事と王子とそれから…私!?
黒くサラサラな髪の毛に、それなりに身長があるが決してゴツい訳ではないスマートな体格。
私に向けられている大きく切れ長の瞳には、不覚にもドキッとしてしまった。
「お前邪魔、ブス」
「なッ…!?」
その男子はその一言だけ言い残すと、私の真横を平然と素通りして教室へと入っていった。
私はあまりの衝撃に、しばらくその場から動くことが出来なかった
自覚してるけど…一応女子の私に真正面から『ブス』なんて言われたのは初めてだった。陰で言われることはあったけど…。
――綺麗なのは顔だけで、アイツ絶対性格悪い!
珍しく女の感が発動した瞬間だった。