そして少女は蒼空に唄う

1

頬を撫でていく風が、随分柔らかくなった。
風に乗って揺れる長い黒髪を軽く押さえながら、少女───アリアはそんなことを思う。
翡翠色の大きな目を幾度か瞬き、アリアは小さく欠伸をした。

「・・・・・春の匂いがする。フィルアスの花が咲く頃かな・・・」

鈴のような声はよく通り、風に乗って響いた。
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