永遠の約束。
 

そして放課後。


「凛ちゃん、笑って」



だれもいない教室で
僕たちは写真を撮り合っていた。

携帯のシャッター音が静かに響く。



「もう〜、笑ってって言ったのに!」

「うっさいな!」


「うそうそ(笑)可愛いよ」


そう言って
やんわりと微笑む親友。
可愛いのはお前だよ、なんて心の中で突っ込みながら
僕は携帯を受け取った。



「ねえ美音、一緒に撮ろうよ」

「いいね〜♪撮る撮る。
凛ちゃんちっちゃいから
身長合わせなきゃ」


「むかつくんだけどーっ!」


そんなじゃれ合いみたいな会話をしながら、僕たちは腕を絡める。


「僕が猫なら、美音は犬だね(笑)」

シャッターを押す間際に
小さく呟いた。




「ん?なんで??」

「ひとなつっこい」


「それだけー?」



笑いながら携帯を出す美音。
赤外線の準備をすると
僕は先ほど撮った写メを送信した。




「…僕たちはさ、中2のクラス替えで一緒のクラスになって
高校も同じクラスになって
当然みたいに一緒にいるけど
美音は…無理してない?」


「…無理?」


時々不安になる。
僕の過去を知っていて
それでもそばにいてくれることに。

信じていたものに裏切られる痛みを知っている僕には
それが怖くてしかたない。

"凛ちゃん"と僕を呼ぶ声が
いつ消えるのか

そんな不安や疑いが
一人になると僕の心を支配する。



お前は孤独だと
言われている気がして。
< 5 / 5 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

公開作品はありません

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop