永遠の約束。
そして放課後。
「凛ちゃん、笑って」
だれもいない教室で
僕たちは写真を撮り合っていた。
携帯のシャッター音が静かに響く。
「もう〜、笑ってって言ったのに!」
「うっさいな!」
「うそうそ(笑)可愛いよ」
そう言って
やんわりと微笑む親友。
可愛いのはお前だよ、なんて心の中で突っ込みながら
僕は携帯を受け取った。
「ねえ美音、一緒に撮ろうよ」
「いいね〜♪撮る撮る。
凛ちゃんちっちゃいから
身長合わせなきゃ」
「むかつくんだけどーっ!」
そんなじゃれ合いみたいな会話をしながら、僕たちは腕を絡める。
「僕が猫なら、美音は犬だね(笑)」
シャッターを押す間際に
小さく呟いた。
「ん?なんで??」
「ひとなつっこい」
「それだけー?」
笑いながら携帯を出す美音。
赤外線の準備をすると
僕は先ほど撮った写メを送信した。
「…僕たちはさ、中2のクラス替えで一緒のクラスになって
高校も同じクラスになって
当然みたいに一緒にいるけど
美音は…無理してない?」
「…無理?」
時々不安になる。
僕の過去を知っていて
それでもそばにいてくれることに。
信じていたものに裏切られる痛みを知っている僕には
それが怖くてしかたない。
"凛ちゃん"と僕を呼ぶ声が
いつ消えるのか
そんな不安や疑いが
一人になると僕の心を支配する。
お前は孤独だと
言われている気がして。