【短編】伝えたい言葉
出会い
最近つまんねぇなぁ。
これが口癖になっていた。

学生の頃は野球部で暇なんてなかった。

高校で勉強なんて必要なかった。

やる暇もなかったし、勉強より部活という学校だったから。

毎日朝練をして
寮から学校。
学校から寮に戻り
グラウンドに行き
夜遅くユニフォームが真っ黒になるまで練習する。

そんな毎日だった。

確かに野球は好きだ。
だから東京から大阪まで野球留学までしたし、甲子園にも出れた。

でも……



野球部を引退して

普通の高校生活。

毎日がつまらなかった

そんな日々が続き

卒業式の日。

二年の女子に話かけられた。

何度か見た事はあったが話した事はないソフトボール部の子だった。

正直気になっていた子だった。

その子に式が終わったらグラウンドに来てほしいと言われ、式が終わった後、約束通りにグラウンドに向かった。

するとホームベースの辺りにその子は立っていた。

近づくと、その子は右のバッターボックスにいた。

深い意味は無いと思ったが、左打ちの俺は、左のバッターボックスに立った。

その子は俺に言った。
「ずっとファンでした」…
「甲子園でのホームランは感動しました」…………
「付き合ってくれませんか」。

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