スーパーマン


だからその言葉は今は飲み込んで、別の言葉を口にする。



「三咲、お願いがあるの」

『ん?なんでも言いなさい』

「服選ぶの手伝って」

『……仕方ないなぁ。めっちゃどうでもいい気がするけど、亜実子の頼みだしね。テメ、托人。ここで待ってろ』



三咲がそう托人に言い終わったのを聞いて、じゃあ上がってきて~と言って電話を切った。


いつものことながら、三咲の托人に対する扱いはひどいなぁ。

托人の気持ち気づいてんのかなぁ?



…なんて、ひたすらどうでもいいことを考えていると、部屋をノックする音が聞こえた。


開けて、散らばった服を見た途端、三咲の顔がすごく歪んだのは言うまでもない。


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