姫密桜
「うまいけどさ
 男は苺は選ばないって
 ねえ、ワカちゃん?」

「そうですね・・・」

歩き出す私の手に

槇は、触れる。

そして、自分の方へ
引き寄せて呟いた。

「怒ってるのか
 俺、何かした?」

困った顔をする槇・・・

「怒ってないよ」

「そっか」

私達は、また今朝のよう
に並んで歩く。
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